あなたはいつもどうやって座っていますか?
デザイナーやアーティストが得意とする行為の一つに「そもそもから考える」というものがあります。さまざまな物事に対していったん立ち止まり「そもそもこれは何のためのものだったのか」と改めて問いを立て考えるこの技術をもとに、無意識に埋もれている行為から着想を得る過程のスリリングさと面白さに浸りながら、思索を広げてくれるこの一冊。ぜひお手元でお楽しみいただければ幸いです。
展覧会「身体は密かに、動き続けている」
Karimoku Commons Tokyoにて、2024年4月~5月の間、1Fのギャラリースペースにおいて、カリモク家具の長年にわたる「座り心地研究」をテーマに開催された展覧会「身体は密かに、動き続けている」。
本展では、「座る」という行為について改めて考える、カリモク家具とデザイナー2名による研究開発プロジェクトの過程と成果を伝えました。
内容物一覧
A|痕跡の標本[制作:菅俊一]
B|リサーチと思考、その周辺のレポート
C|椅子にまつわる14人のインタビュー集
D|展覧会「身体は密かに、動き続けている」開催風景の記録
E|展覧会「身体は密かに、動き続けている」小型ポスター
F|ステッカー[ドローイング:小宮山洋]
菅俊一
コグニティブ・デザイナー/多摩美術大学統合デザイン学科准教授
1980 年東京都生まれ。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。人間の知覚能力に基づく新しい表現を研究・開発し、さまざまなメディアを用いて社会に提案することを活動の主としている。主な仕事に、NHK E テレ「2355ID /0655ID」、21_21 DESIGN SIGHT 企画展「単位展」コンセプトリサーチ、21_21 DESIGN SIGHT 企画展「アスリート展」展示ディレクター。著書に『差分』(共著・美術出版社)、『まなざし』(ボイジャー)、『行動経済学まんが ヘンテコノミクス』(共著・マガジンハウス)、『観察の練習』(NUMABOOKS)。主な受賞に D&AD Yellow Pencil など。
小宮山洋
プロダクトデザイナー 1980 年東京都生まれ。多摩美術大学卒業。プロダクトデザインを基軸に国内外の企業・組織のR&D(研究開発)のサポート、ハードウェアやサービスの立ち上げ、ブランドのディレクションまで多領域を扱う。主な仕事に、国内ではカリモク家具による「Karimoku Cat」や、蔦屋書店初のデジタルプロダクト「T Air」のプロダクトデザイン。東京都美術館「TC&D」での作品展示。国外ではミラノサローネ「ventura projects」にてリサーチプロジェクト「mold」を発表。INTERNI「ʻFEEDINGʼ New Ideasfor The City」、paris のセレクトショップ「merci」での展示。主な受賞に Red Dot Design Award、iF Design Award など。